紙 飛 行 機
 
 
 
 
 
 
 
 
僕は空を見るのが好きだった。
空を見ていると、苦しい事や悲しい事、忘れたい事から、目を逸らせる気がして。
 
だから、僕は空を見る。
今も、この窓の外に広がる空だけが、僕の安らぎ。
 
 
 
「にぱー☆」
「む、むぅ……!」
「悟史、授業中に余所見しては駄目なのです」
「あはは…そうだね」
「…何を考えていたのですか?詩ぃの事?」
「ち、違うよ…っ!」
「みー、悟史の顔が真っ赤なのです」
 
 
 
今は授業中だ。でも、知恵先生は居ない。
さっき校長先生に呼び出されて教室から出て行ってしまった。だから、今は授業中と言っても休憩時間と一緒。
圭一は沙都子と戯れているし、レナと魅音は勉強をしている。(ただのおしゃべりにも見えるけど)
羽入ちゃんは机でお昼寝タイム。
 
 
僕は、机に座ったまま空を見ていた。梨花ちゃんが来るまで。
 
 
 
 
 
 
 
梨花ちゃんはそのまま自分の机に戻っていく。そして、ノートを1ページ破り、そこに何かを書き始めた。
そして、それを紙飛行機にしている。僕は遠目でそれを眺めていたが、
梨花ちゃんはそんな僕の視線に気づいたのか、にぱー☆と微笑み返してくれた。
 
 
 
そして、梨花ちゃんから視線をずらした次の瞬間、頭にコツン、と何かが当たった。
 
 
 
 
 
 
 
 
――――紙飛行機だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
カサコソと中身を拡げてみると、
 
 
 
 
 
 
 
 



ふぁいと・おー!


 
 
 
 
 
 
 
と書かれていた。僕の顔が無意識に緩む。
そんな僕の姿を確認したのか、梨花ちゃんはいつものように笑った。
 
 
 
青い空。白い雲。そして、それ以上の安らぎをくれる………仲間の存在。
 
 
 
 
 
 
 
言 葉 に し な く て も 、
 
(伝わってるよ。仲間がいつでも傍に居る、ということが。)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
>>あとがき
 
悟史と梨花ちゃん!実は凄く好きなコンビですっ
本編ではほとんど関りが無かった二人ですけど、絶対仲が良かったと勝手に思ってる。
むしろ、悟史は梨花ちゃんのにーにーになればいいと思う。
むしろ、悟史はみんなのにーにーになればいいです。
…お、詩音と悟史が結婚したら、悟史ってば魅音のにーに……じゃないか。義理の弟か。ちっ←
(ちなみにこの話では、詩音は興宮の学校に通ってます。別々の学校も意外と萌えるっ)
 
とにかく悟史と梨花ちゃんは仲良しだという事で。
短いですが、ここまで付き合ってくださってありがとうございましたっ!!
 
-2009.03.15-
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